
何をもって戦争のむごさを伝えればいい?
瓦礫となった学校や病院では十分でない?

イエメンではサウジアラビア主導連合軍による数千人の市民に向けた爆撃が、シリアでは民間人への殺りく行為が、現実に起きています。そして国際人道法を侵害する行為であるにも関わらず、医療者を標的とした攻撃は今も続いています。
無力な国際社会
常態化した医療施設への攻撃。国籍を問わず医師、看護師、助産師ら医療者への意図的な攻撃が繰り返されています。
1人の医師への銃弾は数十人、数百人の人々の命を奪うことに等しく、攻撃する側にとってそれは委細承知の事実です。
国際社会の不作為、容認し得ない事実が容認される現実、それは明日にでも
歴史によって裁かれることでしょう。
Yemen

93
過去2年間に攻撃された病院数
100ヵ所以上
破壊された医療施設数
55%
機能を失った国内の医療施設
8,000人以上
一般市民の死者数
1,400万人以上
基礎医療へのアクセスを奪われた人々
6
人口1万人あたりの医師数(特定の都市)
Syria

814
医療施設内で犠牲となった看護師数
15,000
避難せざるをえなくなったシリア人医師数(2011~2015年)
338
医療施設への攻撃(2016年)
33
ハマー市Kafr Zita Cave病院に落とされた爆撃の数(2014年以降)
6
MdMがサポートする医療施設が攻撃された数(2016年)
53
犠牲になった患者数
50%以下
機能する国内の医療施設
国際人道法は日ごと軽んじられ、紛争地では今も医療スタッフが
標的の対象となっています。
2016年5月3日、国連安全保障理事会は患者、医療と人道支援活動の従事者および医療施設に対する暴力や攻撃を厳しく非難、その安全確保を求める決議を採択しました。
国際社会によるコミットメントは不首尾に終わり、1年以上が経った今日でも状況に改善は見られません。それだけではありません。安全保障理事会の常任理事国が、直接的もしくは間接的に人道法違反を 繰り返す国々への武器供与や輸出に関与しているという信じ難い現実も起きています。
MdMは、以下の項目の速やかな履行を国連に対して要請します:
医療従事者および医療施設の保護に関する国連決議第2286号の履行
紛争当事者による一般市民保護の徹底
医療従事者と医療施設への攻撃の
一切停止